今回は、試作品を外注する場合における企業秘密の管理につて、ブランディングの観点と法律の観点からの注意点をまとめてみました。
ブランディングの観点
- ブランドイメージの保護
外注先に試作品を開発させる際、企業秘密が漏洩するとブランドイメージが損なわれる可能性があります。信頼できるパートナーを選び、ブランドの価値を守るための対策を講じることが重要です。
2.一貫性の維持
外注先が試作品を開発する際、企業のブランドメッセージやデザインに一貫性がないと、消費者に混乱を招く恐れがあります。事前に明確なガイドラインを提供し、ブランドの方向性を共有することが必要です。
3.顧客の期待に応える
新商品が市場に出る前に、外注先が企業秘密を守らない場合、顧客の期待を裏切る結果になることがあります。顧客の信頼を維持するために、外注先とのコミュニケーションを密にし、品質を確保することが求められます。
法律の観点
1.秘密保持契約の締結
外注先と契約を結ぶ際には、必ず秘密保持契約(NDA)を締結することが重要です。この契約により、企業秘密の漏洩を防ぎ、法的な保護を強化することができます。
2.知的財産権の明確化
試作品の開発において、知的財産権の帰属を明確にすることが必要です。外注先が開発した技術やデザインが企業のものであることを契約で明記し、後のトラブルを避けることが重要です。
3.法的リスクの評価
外注先の選定にあたっては、その企業の法的な信頼性や過去のトラブル履歴を評価することが重要です。法的リスクを事前に把握し、適切な対策を講じることで、企業の利益を守ることができます。
これらのポイントを考慮することで、試作品発注における企業秘密の管理を高めるための一助となります。
【コラム著者】
KO+U+SA行政書士事務所・社労士事務所(京都市中京区)
ものづくり法律手続コンサルティング
行政書士・社労士 辻耕太郎 (京都府行政書士会・京都府社労士会所属)